マッチングアプリでよくあるリスクとして、国際ロマンス詐欺や投資詐欺があります。
国際ロマンス詐欺は、外国人とネット上で出会い、結婚を約束する仲になりますが、出国するためにはお金が必要などと理由をつけられ、ビットコインやwebマネーで振り込みをさせて持ち逃げするというもの。
投資詐欺は、同じくネット上で知り合った人に、仮想通貨などの投資をすすめられ、偽物の証券口座に入金させられて出金できなくなるというものです。
最近では、この国際ロマンス詐欺や投資詐欺の被害も増えてきており、メジャーで安全とされるマッチングアプリでも見かけるようになりました。
今回は、これらのマッチングアプリのリスクを詳しく解説していきましょう。
投資詐欺の被害は年々被害は増えている
以下のグラフは、2024年3月に警視庁が発表した2023年度の国際ロマンス詐欺・投資詐欺の被害の推移です。
出典 SNS型投資詐欺・ロマンス詐欺の被害発生状況等について
グラフは月ごとの推移ですが、年初と年末を比べると、6倍近くの被害の増加となっています。
事件として認知されているだけでも、年間で2271件の投資詐欺、1575件の国際ロマンス詐欺が起きています。
マッチングアプリをやっていると、こんな件数では説明できないと思えるほど詐欺を見かけます。
騙されても、相手を信じていたり恥ずかしくて警察に相談しない人や、騙される前に気付く人もいるでしょうから、被害はもっと多いのでしょう。
マチアプでの国際ロマンス詐欺や投資詐欺の手口
よく見かける投資詐欺や国際ロマンス詐欺の手口を紹介しましょう。
これらは、別の詐欺として語られることが多いですが、最近よくある手口はどちらか柔軟に変わる方法です。
ファーストコンタクト
最初はマッチングアプリで連絡先の交換からはじまります。
よくあるパターンとしては、詐欺師はマッチングアプリのプロフィールにLINE IDを書いており、ターゲットが友達追加するのを待つパターンです。
コンタクトを取ってみると、詐欺師は翻訳アプリを通したようなおかしな日本語を話し、設定では帰国子女や外国人であることがほとんどです。
仲良くなるフェーズ
数週間は通常のやり取りをおこないターゲットの警戒心を薄れさせます。
顔写真の交換などもできるので安心してしまう人もいるようです。
ターゲットの反応によっては、投資詐欺か国際ロマンス詐欺にするのか柔軟に変更します。
投資で儲かっていることを教えるフェーズ
ある程度やり取りが続いたら、仮想通貨などの投資で儲かっているという話をはじめます。
勝っているスクショなどを送りつけ、被害者をその気にさせようとします。
投資への勧誘
こちらが興味を示したら、やり方を教えると話し、仮想通貨の口座を開かせます。
はじめは、怪しくない国内で認められた証券の口座です。
そこで安心していると、より儲かる先物オプションがあるから、結婚のための資金にするなどと嘘をつき、偽の証券会社の口座に送金させます。
実際の詐欺の様子のレポートはこちらのブログで見ることができます。
海外からの詐欺が多い
国際ロマンス詐欺というように、この詐欺は海外からおこわれています。
設定としては、日本に住んでいると言うこともありますが、日本国内のことを分かっていなかったり、日本語がめちゃくちゃであったりと、明らかに海外から犯行がおこなわれています。
マッチングアプリを使った詐欺は昔からあり、国内の詐欺グループが捕まった報道はよく見かけますが、海外の詐欺グループが捕まった報道はありません。
中国からの犯行が多いので、日本の捜査が及ばないのでしょう。
ですので、手口をよく知り被害にあわないように気を付けることが一番大事です。
弁護士に頼んでも着手してくれないケースも
投資詐欺の被害が増えるにあたり、そのお金を取り返そうとした人がさらにカモにされるという被害も増えてきています。
「だまされたカネを取り返せる」などと広告を出している弁護士に、着手金を払ったのに対応してもらえない。
詐欺の“二次被害”ともいわれるこうした事例が各地で相次いでいて、東京都内では、消費者窓口への相談がこの3年で3倍以上に急増していることがわかりました。
引用 弁護士に着手金払うも対応されず 詐欺の“二次被害”相次ぐ
国際ロマンス詐欺のお金を取り返せるとうたい、着手金を払わせ、ほとんど調査はおこなわれずお金は返ってこないという詐欺で、
大阪では、1800人以上から、9億円を超える着手金を受け取っていたとされる弁護士が懲戒請求を受けています。
マッチングアプリを使う際には詐欺には十分に気を付け、騙されてしまったら、まずは弁護士ではなく警察や消費者センターへ相談するようにしましょう。